全量買取を活かす為に太陽光発電を相場価格よりも安く買うブログ:2022-3-22
子どもの頃は土用の鰻など知らなかったが、
成長期に食べたものの中で
鰻ほどわたしの印象に残るものは無い。
なかなか食べられなかったということもあるが、
それ以上にわたしにとって鰻といえば、
お父さんのお土産である。
わたしが小学生の頃のこと…
お父さんが飲んだ帰りに、駅の近くの小さな料理屋で、
時々持ち帰りの鰻を買ってくることがあった。
夜の10:00過ぎ、
仕事終わりにビールを飲んで、
酔ったお父さんが帰ってくる。
帰って来たお父さんの手にはビニールの袋が下げられ、
その袋の中には包装紙に包まれた鰻重の箱が四つ、
重ねられて入っている。
小学生だったわたしは、
お父さんの帰る頃にはもう布団の中であったから、
次の日の9時それを食べることになるわけである。
9時になると母が包装紙を開け、
ホイルの上に箱の中身をそのまま取り出し、
蒸し器で十分蒸したあと、
また同じように箱に詰める。
その上から、
小さな容器に入ったタレをかけて食べる…
子どもながらに、
これはとても美味いものだというのはわかっていた。
ひとクチひとクチ、大事に食べていたように思う。
箱の底は銀色をしているのだが、
わたしは食べながらも、
銀色が見えてくるのが
非常に勿体無いような気がしていた。
底にボンヤリと映る自分の顔を少し残念な気持ちで、
クチを動かしながら見つめていたことを覚えている。
起きてきて鰻重の箱を発見した時の嬉しさというのは、
憂鬱な9時を少しだけ幸せな気持ちにしてくれた。
その包装紙の模様もまた独特で、
よくは覚えていないが
確か白地に、緑や黒の家紋のようなものが
規則正しく描かれていたように思う。
わたしはその模様をみつけると意地汚い性分で、
顔を洗うよりも先にそちらに手をかけ、
お母さんによく怒られていた。
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